ばんぎゃる休憩中

推し活に飽きたので貯蓄と投資に全BETしたい。

紙で読むクリーピーパスタ

兎野フロアです。

先日、空き時間に本屋を散策していたら偶然こんな本を見つけました。

 

タイトルの通り、怖い話が複数収録された文庫です。日本とはまた違った怖さに対する視点が思いがけず面白く、せっかくなのでここに感想を書いていきたい次第です。

少しだけですがネタバレしている部分もあるので未読の方は以下、ご注意ください!

 

 

=============

 

 

そもそもクリーピーパスタとは?

個人的にクリーピーパスタと聞くと「よく海外産ホラーゲームの題材になるやつ」というざっくりとしたイメージがあったのですが、あとがきの解説を見ると“ネット上の怪談・都市伝説の海外版”といった位置付けなんだそうです。日本でいう「きさらぎ駅」や「八尺様」のような感じ(こちらもホラゲーと相性がいいですね)。

 

短編だからこその面白さ

冒頭の【ミスター・クリーピーパスタ】によるまえがきから始まり、短いものは5ページ前後、長いものは30ページほどの短編が全15篇掲載されています。

全てを通しで読んでふと思ったのは「意外と生き残っている人がいるな」ということ(笑)。どの物語も語り部がいるので当然と言えば当然なのですが、例えばバックルーム系は一度異界に入ると帰ってこれないし、ホラー映画も基本助かった!と思ってもやられちゃうパターンが多いじゃないですか。

話によっては“書き残された日記を読む”といった形で進む話もあるので厳密には全員ではないですが、家族や友人と酷い目に遭いつつも何とか生存ルートを掴み取っている人たちもいるのが面白いなと感じました。自身が生き残る代わりに災厄をばら撒いてる人もいますが。(ただしそのまま助かるかどうかは不明)

 

私が好きな作品は

「這いずる深紅」→ 1話目でこのインパクト!さっきまでの日常はどこへ…?

「図書館の地下室で」→ 怖い話だけど秘密を共有する感がちょっとほっこりしちゃう

「感じのいい男」→ こんな同僚は嫌だ。でもキレる気持ちは何となく分かる笑

 

「這いずる深紅」は日本人が馴染みのないモーテルが舞台で、それこそホラー映画の題材っぽい雰囲気が良かったです。

 

心構えが必要な作品も

注意した方がいいのは、作品によってはかなりグロ度が高いということ。私はホラー映画もホラゲーもわりと好きなのでまあまあ耐性があるとはいえ、それでも「おおう…」と思う描写がありました。苦手な方が読む際は、念のため気をつけていただければと思います。

映像で見るより文字で読んだ方が変な生々しさが想像できてしまうってのも不思議ですよね…。

 

訳者さん達の丁寧な翻訳は読みやすく、またそれぞれの作者の簡単な紹介も記載されておりクリーピーパスタ初心者にはもってこいの本でした。

皆様もお時間がありましたらこちらの世界へ足をお運びくださいませ。それでは。